自賠責保険とはどんな保険?使うタイミングや解約返戻金の手続きを紹介

自賠責保険について

更新日 2025年8月28日

自賠責保険は、交通事故で被害を受けた人が最低限の補償を受けられるように、国が自動車損害賠償保障法に基づいて設けた強制加入の保険制度です。

自動車、自動二輪、原付を含むすべての車両に加入することが義務付けられていて、正しくは「自動車損害賠償責任保険」といいます。

新車を登録するときや車検を受けるときには必ず加入が義務付けられます。

車検と同時に自賠責保険の更新がおこなわれるので、車検が残っている中古車を購入する場合には、新たに支払う必要はありません。

目次

自賠責保険の補償は人身事故に限定されている

自賠責保険の補償対象になるのは、他人に怪我をさせたり死亡させたりした人身事故に限られます。

人身を絡まない物損事故や自損事故は対象外であり、ガードレールや電柱を壊してしまった場合などは一切補償されません。

傷害による損害は被害者1人につき120万円までとなっており、この中には治療費・文書料・休業損害・慰謝料などが含まれます。

後遺障害が残った場合は最大4000万円で、障害の程度に応じて逸失利益及び慰謝料等が支払われます。

死亡事故の場合は3000万円と定められています。

補償内容上限金額
傷害に対する補償120万円
後遺障害に対する補償4,000万円
死亡に対する補償3,000万円

自賠責保険はあくまで最低限の補償にとどまるため、被害者を死亡させてしまったり大きな怪我で治療が長引いたりした場合、自賠責保険だけでは到底足りず多額の自己負担が発生する可能性があります。

自賠責保険だけでは補償しきれないのが現実

多額の補償が必要な人身事故や物損事故を起こしてしまった場合には、自分で保険会社を選んで加入する任意保険で補填します。

過去にあった高額補償の判決例

判決年損害額被害者・物件
2016年約4.5億円公務員
2017年約4.5億円コンサルタント
2021年約4.5億円大学生
2000年約0.6億円積荷
2011年約0.2億円ペットショップ

引用元:SBI損保

任意保険は法律上の義務ではありませんが、実際の運転者の加入率は75.5%と高いため、車を運転するにあたっては任意保険への加入が前提になっているといえるでしょう。
引用元:チューリッヒ保険会社 任意保険(自動車保険)の加入率

また、交通事故を起こした相手が自賠責保険しか加入していない場合、怪我の補償は自賠責でカバーされても車の修理費用などは支払われず、過失分は自分で負担する事態になりかねません。

任意保険に入っていない人は支払い能力がない人も多いため、補償を受けられないまま泣き寝入りになる恐れもあります。

鈴木自工株式会社では、自動車の保険に関する相談を無料で受け付けています。

契約内容や保険料を見直したい場合は、お気軽にご相談ください。連絡先はこちら

自賠責保険の区分と保険料

自賠責保険料は、車両の区分(普通乗用車、軽自動車など)や、利用する地域(本土、沖縄県、離島など)によって異なります。

自賠責保険は地域の交通量や車種に合わせた事故発生率をもとに算出されるため、細かく保険料が決められているのと毎年保険料の見直しがおこなわれます。

下記の表に詳しくまとめましたので、自分の条件にあった保険料金を確認してください。

保険期間普通自動車軽自動車
12か月11,500円11,440円
13か月12,010円11,950円
24か月17,650円17,540円
25か月18,160円18,040円
36か月23,690円23,690円
37か月24,190円24,010円

※本土の場合

自賠責保険の期間で37か月や25か月が設定されている理由

自賠責保険の保険料表には、中途半端に見える37か月や25か月という契約期間が設定されています。

これは、新車の車検有効期間が3年(36か月)、中古車の車検有効期間が2年(24か月)であることに対し、保険期間は車検期間より1か月多く加入するためです。

この1か月分が追加される理由は以下のとおりです。

  • 車検の有効期間満了日と自賠責保険の有効期間満了日が違う
  • 車検を取得するには自賠責保険が車検有効期間内を全てカバーしなくてはならない

新車や車検切れの中古車を再登録するには、登録日と自賠責保険の加入日が同じ日でなければならないと義務付けられています。

ただし、車検の有効期間は「車検取得日から車検満了日の前日まで」、自賠責保険の有効期間は「登録日から契約満了日の午前12時まで」となっており12時間のズレが生じています。

たとえば、令和4年4月1日に新車として登録し自賠責保険の登録も同じ日に加入すると、それぞれの有効期間は以下のようになります。

  • 車検の有効期間:令和7年3月31日
  • 自賠責保険の有効期間:令和7年4月1日の午前12時

車両の登録に問題がなく、車検の有効期間内に自賠責保険が有効であれば「車検を取得するには自賠責保険が車検有効期間内を全てカバーしなくてはならない」という規定をクリアできます。

しかし、新車登録時や車検が切れている中古車で、何らかの事情により登録が数日~数週間が遅れてしまった場合でも対応できるように、1か月分余裕を持って自賠責に加入しておくのです。

月ではなく日ごとの追加でいいではないかとも思われますが、自賠責自体が「月単位」でしか加入できないため、1か月分の加入が必要になります。

車検を忘れていても自賠責保険は1か月の余裕を作れる

自賠責保険に37か月と25か月の契約設定があるのは、継続車検を忘れてしまった場合にも役立ちます。

次回の車検は新車だと3年後、中古車は2年後になるため、自分の車の車検有効日を忘れてしまい車検を切らしてしまう人は結構います。

ギリギリになって継続車検を受ける人は、車検を受けている途中に不具合が見つかり予定通り車検が進まないと自賠責保険が切れてしまうことがあります。

陸運局へ登録に行く予定だったとしても、急な仕事の予定変更で行けなくなったり、車検場が余りにも混み合っていて時間内に登録が終わらなかったりなどは現場ではよくあることです。

自賠責保険が切れると車検を取得することができなくなり、再取得するには自賠責保険の再加入が必要になります。

登録時のトラブル防止や自賠責保険切れの予防対策の他に、ユーザーが継続車検を忘れてしまった場合や整備に時間を要する事態などに備えて、初回は有効期間より1か月多く自賠責保険に加入するのです。

2回目以降の保険期間は24か月が主流

新車や車検切れの中古車を購入しているユーザーのほとんどは、自賠責保険を1か月余分に加入しています。

実際に所有している車の車検証満了期間と保険期間は以下のようになっていたので、ご自分の書類も確認してみてください。

車検満了日と保険期間

車検は有効期間満了日の1か月前から車検を受けられることもあり、最長で2か月の猶予期間ができると考えると、普通に使っている車なら保険が切れるということはまずないでしょう。

そのため、期限内に車検を取得すれば保険期間は24か月分の契約で充分です。

自賠責保険は満了日の日付を据え置きして更新するので、早めに車検を通したとしても有効期間が縮まることはありません。

仮ナンバーで公道を走行できる

車検が切れていても自賠責保険の有効期間が残っていれば、仮ナンバー申請をすると公道を走ることができるようになるため、そのまま車検場に車を持ち込むことが可能になります。

仮ナンバーでも公道を走るには自賠責保険に加入することが義務付けられているため、完全に切れてしまっていると再加入の手続きが必要です。

仮ナンバーを取得できないと積載車などで車を車検場まで持ち込まなくてはならなくなり、余計な時間と費用がかかってしまいます。

車の購入時は自賠責保険が二重請求されていないか確認する

車検が切れている中古車や未加入である新車を購入する場合は、車検を取得するために自賠責保険への加入が必須となり支払いが発生します。

本来、自賠責保険料は車検代とは別項目で請求されるのが正しいですが、車検代の中にすでに自賠責保険料を含めておきながら、さらに別枠でも請求して二重に取る業者が存在します。

新古車を購入する場合、車両自体は新車でも登録と車検を済ませている中古車であるため、改めて自賠責保険料を負担する必要はありません。

ユーザーの無知につけ込んで、自賠責保険の二重請求をしてくる業者もいますので、見積書を作成してもらったら必ず目を通すようにしてください。

廃車時に受け取れる自賠責保険の解約返戻金

自賠責保険は、補償する能力のない無保険車が公道を走らないように解約を制限していますが、車を廃車した際に加入している保険会社に申請すると、既に支払っている保険料の一部を解約返戻金として受け取れます。

廃車買取の専門業者は解約返戻金の手続きを代行してくれますが、自分で廃車した場合は契約をしている保険会社に連絡を入れて手続きをおこないます。

解約返戻金を受け取るには「一時抹消登録」または「永久抹消登録」のいずれかで車を廃車にしたことを保険会社に証明します。

一時抹消登録とは諸事情により一時的に乗らなくなった車の廃車手続きのことで、永久抹消登録とは自動車を解体し車を二度と使えなくするために完全に抹消した状態のことをいいます。

保険会社に提出する書類は以下のとおり。

一時抹消登録一時抹消登録証明書
永久抹消登録登録事項等証明書
軽自動車の場合自動車検査証返納証明書

上記書類のコピーに加え

  • 自賠責保険証の原本
  • 印鑑
  • 返金先の口座

が必要です。

自賠責保険の解約返戻金は、保険の残り期間が1か月以上ないと返金されません。

保険会社によって多少の誤差はありますが、手続きが完了してから7日から10日前後で解約返戻金が指定口座に振り込まれます。

自賠責保険の返戻金手続きで気を付けたいのが計算方法です。

廃車にした日からさかのぼって計算されると勘違いしやすいですが、自賠責保険は保険会社に解約を申請した日からさかのぼって計算されます。

廃車を済ませて時間がたってから申請すると本来受け取れる解約返戻金より少なくなってしまうので、早めに手続きをおこなってください。

解約返戻金の計算式は「有効期間の最終日-解約手続き日」です。

解約返戻金の計算例
  • 有効期間の最終日:3月31日
  • 解約手続き日:9月30日
  • 残り期間:6か月

正確な返戻金の額が知りたい人は、保険会社に直接電話をして保険証の左上に記載されている証明書番号を伝えれば、解約返戻金の金額を教えてもらえます。

概算の解約返戻金なら以下のシミュレーションでも計算できます。

自賠責保険の解約返戻金シミュレーター

※本ツールは「日割り」に基づく概算です。
実際の返戻金は加入先の保険会社の短期率・端数処理・事務手数料などで異なります。

記事の管理者
鈴木自工メディア担当者

鈴木自工は車検のコバック、新車販売のジョイカル、車買取専門店アップルを運営する総合カーディーラーです。

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