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洗車は表面の汚れを落として見栄えを良くするだけでなく、ボディに付着した泥や鉄粉、鳥のフンなどから塗装守り、コーティングを施すことで車を長く美しく保つことができます。
洗車キズはボディ表面の汚れを落とす際に、目には見えにくい微細な砂やホコリがスポンジとボディの間でこすれることで生じるため、摩擦を極力減らすことを心がけてください。
洗車キズを防ぐ7つのポイント

洗車を簡単に済ませたいからといって水をかけて拭くだけでは、小さなキズや水ジミを招き塗装は少しずつ傷んでしまいます。
砂やホコリをしっかり流して摩擦を減らし、車を洗うときの環境や洗車グッズを正しく選ぶことで仕上がりの差は大きくなります。
水で砂やホコリを徹底的に洗い流す
大量の水による予洗いは、洗車キズ防止の中でもっとも重要な工程といえます。
スポンジを使う前に高圧洗浄機やホースで車全体に水をかけ、ボディ表面の砂やホコリを可能な限り洗い流してください。
特に泥汚れのひどい下回りは、付着した小石も落とせるように水流を強めて流しましょう。
水を掛けずに濡れたスポンジでそのまま洗ったり、フクピカなどでボディを拭いたりする人を見かけますが、これは洗車キズを付けるために車を洗っているようなものです。
力任せにこすらない!摩擦を減らすことを心掛ける
ボディを洗うときは、カーシャンプーまたは中性洗剤をたくさんスポンジに馴染ませ、しっかりと泡立ててから軽く触る程度で洗っていきます。
力を入れずにスポンジで泡をクッションにしながら洗うのが洗車キズをつけないコツ。
泡が汚れを浮かせるため、強くこする必要はありません。
汚れが落ちないからといって、力任せにこすってしまうとキズが付く原因になります。
車の拭き上げは素早く丁寧におこなう
洗い終わったら、泡が残らないようにしっかりと水で流しましょう。
特にドアやトランクの隙間、前後バンパーの周りは泡が残りやすいので、念入りに流してください。
吸水性の高いマイクロファイバークロスやセームを使い、ボディに押し当てて水分を吸い取るように動かします。
水道水に含まれるミネラル分が乾燥すると、ウォータースポットと呼ばれる水滴のシミになります。
素早く拭き上げるポイントは、なるべく少ない回数で拭き取れるように心掛けることです。
夏場や晴天の日中は洗車を避ける
強い日差しは、洗剤の泡や水分をすぐに乾燥させてしまいシミやムラの原因となるため、夏場や晴天の日中は避けて比較的涼しい早朝や夕方または曇りの日に洗車しましょう。
ボディ表面が熱を持っていると、シャンプーの成分が固着して取れにくくなり、かえって塗装を痛めることにもつながります。
どうしても日中に洗車しなければならないときは、屋根のある場所や木陰を選び、車体の部品を細かく区切って一面ずつ洗い流すのが理想的です。
車のボディは常に濡らすようにしておき、水が乾く前に拭き上げます。
風の強い日はホコリが混じってキズがつきやすい
風が強い日の洗車は、空気中に舞っている砂やホコリが濡れたボディに付着するため、拭き上げのときに砂を一緒にこすってしまい、細かい線キズが入ります。
見た目は綺麗になるかもしれませんが、後日晴れた日にボディを確認してみると、洗車キズが増えている可能性が高いです。
また、ホコリや砂などが大量に舞っている中での作業は、せっかく洗車をしてもすぐに汚れる原因になります。
シャンプー液や水滴が風で飛ばされたり、洗車道具が風で倒れたりなど作業効率も著しく下がるでしょう。
品質の良い洗車グッズを選ぶ
安価なスポンジや雑巾は繊維が硬く塗装面を傷つけやすいため、柔らかいスポンジはもちろんのこと、マイクロファイバークロスや洗車用ミットなどを使うと、摩擦が減りキズが入りにくくなります。
吸水性がなくなったタオルは繊維が傷んで摩擦が増えるので、新しいものに交換してください。
カーシャンプーの重要な役割は、ボディとスポンジの摩擦を減らすことです。
中性タイプを選べば基本的にボディを傷めませんが、コーティングを施工している車の場合は専用のシャンプーを使用しましょう。
洗車に頻度は人それぞれ!汚れたら洗うのが理想
洗車の頻度に決まりごとはありませんが、洗車キズを少なくしたいなら、車が明らかに汚れている場合にのみ洗車するようにしましょう。
ボディが汚れていない状態で頻繁に洗車すると、スポンジや拭き上げクロスとの摩擦によって細かな洗車キズが増える可能性があるからです。
目安としては月に1回程度、あるいは汚れが気になった時点で洗車するのがおすすめです。
ただし、汚れが目立つ濃色車は必然的に洗車の頻度が増えるので、できるだけキズが入らないような洗い方を心がけてください。
車のボディに傷つけない正しい洗い方

洗車キズとは、光の当たり具合で見える渦巻状の傷のことです。
この洗車キズが目立つと、せっかく車をキレイにしていても傷みや汚れがあるように見えてしまいます。
洗車キズの多くは、スポンジで洗っているときや拭き上げの際の摩擦が原因です。
白い塗装の車はあまり気づきませんが、黒や赤など濃色系の車は特に目立ちます。
ただし、塗装の表面を擦ることで汚れを落とすため、いくらプロが洗ったとしても洗車キズはどうしても付いてしまうものです。
以下では洗車キズを最小限に抑える洗い方を紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
最初は時間がかかる足回りから洗う
足回りはブレーキダストや砂、泥などが大量に付着しているため、汚れを落とすのに時間がかかります。
ボディから先に洗ってしまうと、足回りの作業中にボディについたシャンプーや水滴が乾いてしまい、シミやウォータースポットの原因になります。
そのため、洗車は必ず足回りから先に洗い、その後にボディを洗うのが基本です。
足回りを先に洗っておけば、ボディを洗った際に流れ落ちる水が乾燥を防いでくれるため、シミができにくくなります。
スポンジとすすぎ用のバケツは、必ずボディ用と足回り用を分けて使用してください。

足回りの汚れは砂利を含むことが多く、そのままボディを洗うと傷の原因になります。
また、すすぎ用のバケツにも砂利が沈殿するため、足回りを洗い終えたらバケツをきれいに洗い流し、新しい水に入れ替えるようにしましょう。
シャンプーは足回りとボディで同じものを使っても問題ありません。
ホイールの内側はブレーキダストなどの汚れが溜まりやすいため、手が届く範囲で洗うようにしましょう。
ただし、ホイールの形状によっては手を切るなどの怪我につながることもあるので、奥まで無理に手を入れないでください。
定期的に洗車しておけば、専用のケミカル用品を使わなくても汚れが落ちやすくなります。
ボディは屋根から車体下部に向かって洗う

ボディを洗うときは、車の屋根から順に下へ向かって水を流し、付着している砂やホコリを上から下に洗い流していきます。
ボンネットや側面を先に水で流してしまうと、後から屋根を流した時に汚れが付いてしまうからです。
水を流すときは、屋根、ボンネット、サイド、後部の順番で一定方向におこないます。


時計回りでも反時計回りでも、どちらから洗い流しても構わないので、水を流しやすい方向で作業してください。
洗車中はシミを防ぐためにボディは常に濡らしておきます。
水で表面の汚れを流し終わったらスポンジでボディを洗う作業に移ります。

ボディを洗うときの順番も、屋根、ボンネット、サイド、後部です。
スポンジは一定方向に動かすようにして、縦なら縦のみ、横なら横のみとし、円を描くように動かすのはNGです。
- 縦や横の一定方向に動かすと傷が直線的にそろうため反射で目立ちにくくなる
- 円を描くと無意識に力がかたよったり同じ場所を何度もこすったりしまいがち
拭き上げは濡れた状態で柔らかいクロスを使う
洗車後の拭き上げは、ボディが濡れている状態でおこないます。
ボディが乾いた状態で拭き上げると摩擦抵抗が大きくなり、洗車キズの原因となるためです。
十分な水がボディと拭き上げ用クロスとの間の潤滑剤となり、摩擦を低減させることで傷の発生を防ぎます。
作業の途中で部分的に乾いてしまった場合には、再度水をかけてから作業してください。
拭き方の基本は、洗車時と同様に「上から下へ順に進める」「一定方向に動かす」という点です。
円を描くような動作やランダムな方向で拭くと摩擦が集中しやすく、キズが付きやすくなります。
拭き上げ用のクロスを数種類用意する
拭き上げには、必ず専用のクロスやセーム皮を使用し、家庭用の雑巾や一般的なタオルで車を拭くのは避けましょう。
繊維が粗いものや毛玉の多いタオルは、洗車キズの原因になります。
吸水性が高いクロスを使うと、今まで2往復で拭くところを1往復で拭けるようになり、ボディにかかる摩擦抵抗が少なくなるので、洗車キズの低減につながります。
また、拭き上げに使うクロスは用途ごとに分けて使用してください。
ボディ用とステップ用を同じものにすると、汚れが移りキズを付けやすくなるため、ボディー用、ステップ用、足回り用、室内用と分けて用意するのが理想的です。
目に見えない部分も拭き上げておく

拭き上げを外装部分しかやらない人は多いですが、各ドアのステップ部分、ボンネット、トランク、給油口など、目に見えない部分もしっかりと拭き上げるようにします。
洗車後にボディの表面以外で濡れている場所は水の通り道でもあるため、放置しておくと雨が降った後に水垢の原因になります。
サイドステップは、人が乗り降りする時に目に止まる所でもあるので、綺麗にしておけば人が乗るときに印象が良くなりますし、触れてしまっても衣服を汚しません。
最後にホイールを拭き上げて洗車は終了です。
車をきれいに仕上げるための下地処理と仕上げ作業
洗車の仕上がりは、下地処理とコーティングなどの仕上げ作業によって左右されるといっても過言ではありません。
下地処理の目的は、塗装にこびりついた汚れを完全に除去し、コーティングやワックスが定着しやすい状態にすることです。
仕上げ作業は、下地処理で整えた塗装面をコーティング剤で整える工程です。
塗装面を整えることで光が均等に反射するようになり、ツヤが出て車がきれいになります。
鉄粉を除去してコーティングののりを良くする
空気中にはブレーキから発生した金属粉や、工場などから飛散した微細な粒子が舞っており、走行中や駐車中の車のボディ表面に付着します。
線路沿い、製鉄所、溶接工場の周辺では特に多く、また自分の車や隣を走る車からも絶えず発生しています。
付着した鉄粉がボディの表面に残ると、光の反射を乱してツヤが失われます。
コーティングを施工しても表面のザラつきが原因で被膜が均一に広がらず、効果を十分に発揮できません。
時間が経過すると洗車だけでは除去できなくなり、塗装に突き刺さった鉄粉が雨水や雪に触れて酸化し、サビの発生につながります。
鉄粉が車に付着しているかどうかを判断するには、洗車をした後にボディを手で触ってみてください。
塗装面がザラザラしたり、目で見て鉄粉のような茶色い斑点があれば、鉄粉が付着しています。
タバコの外箱フィルムやビニール袋を使うと、鉄粉が付着しているかどうかを判断しやすいです。
車用粘土クリーナーで鉄粉を吸着して除去する
ボディに付着した鉄粉を除去する粘土クリーナーは、トラップ粘土とも呼ばれ、塗装面に突き刺さった鉄粉を吸着して取り除くための洗車用品です。
車用品店やホームセンターなどで1,000円程度で購入することができ、長方形や正方形など作業しやすい形に変形させて使うことができます。
まずは表面上の汚れを落とすためにシャンプー洗車をします。
ボディを水に濡らした状態で表面を触りながら、ザラザラしている部分に粘土を当て、ゆっくりと滑らせながら除去します。
ボディを洗うのと同様に、必ず一定方向に粘土を動かすようにしてください。

この時のポイントは、ホースリールなどを使い水を常に出しながらボディを濡らした状態で鉄粉を除去していくことです。
ボディが乾いてしまうと粘土がすべりにくくなりボディとの摩擦が強くなるため、傷が付きやすくなります。
鉄粉は主にボンネット、屋根、トランク、に多く付着しています。
フロントバンパーやサイド、ドア、リアバンパーは少ないので、手で感触を確かめながら作業を進めてみてください。
作業を進めると粘土に鉄粉が付着して茶色く汚れ、ザラついていたボディ表面は次第に滑らかになります。
粘土が汚れるたびに折りたたんでこね直し、新しい面を出しながら使用します。
鉄粉の除去が完了したら仕上げとして再度シャンプー洗車をおこない、残った汚れや洗剤を洗い流して終了です。
コーティングにはツヤ出しと塗装保護の役割がある
車のコーティングには、見た目を引き立てるツヤ出しと、塗装を守るという2つの役割があります。
ツヤ出しの役割としては、目に見えない塗装表面の凹凸を粒子で埋め、薄い被膜で覆うことで反射を均一にして深みのある濡れたような光沢を生み出します。
保護効果としては、紫外線や酸性雨、鳥のフン、花粉、黄砂などによる浸食を抑て塗装の劣化を劣化を防止。
色あせの進行を遅らせることができるため、特に屋外駐車が多い車では数年後にコーティングの有無で塗装の状態に明確な差が現れます。
さらに、コーティングによって汚れが付着しにくくなるため、洗車の頻度や手間を減らせます。
撥水性の高いコーティングであれば水をかけるだけで汚れが流れ落ちやすく、短時間で洗車が終わり拭き上げ作業も効率的になるでしょう。
塗装状態が良好に保たれている車は市場での評価が高まりやすくなり、同様の条件の車よりも査定額が高額になる可能性があります。
タイヤワックスは想像以上に仕上がりに差が出る
タイヤワックスを塗るだけで、黒さが際立ちボディカラーとのコントラストが強調されるので、車体の輪郭がはっきりして全体が引き締まって見えます。
タイヤワックスを塗らないタイヤは白っぽく褪せて見えるため、ボディが艶やかに仕上がっていても全体がぼやけた印象になりがちです。
油性と水性のタイヤワックスがあり、水性タイプは扱いやすく仕上がりも均一に整います。
ツヤを強調したいからといって厚く塗りすぎると、走行中に飛散してホイールやボディを汚す原因になります。

鈴木自工は車検のコバック、新車販売のジョイカル、車買取専門店アップルを運営する総合カーディーラーです。
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